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「ほろ酔いシンガー」

2008年2月8日

こんばんは。
今、伊丹へ向かう飛行機の中で、この日記を書いています。
今日は、夕焼けがとーっても綺麗でしたね。
いつのまにか日が長くなってきて、そういえば陽射しも明るくなってきて、気づけば梅の花も咲き始めて、・・・うふっ、春も遠くはありませんね。

春といえば。
昨日の朝、となりのおばあちゃまの家の前に、古い型の足踏みミシンが出してあるのを発見。
子供を大急ぎで幼稚園に送った後、ダッシュで舞い戻り、おばあちゃまにお願いして、粗大ゴミになるところだったミシンを譲ってもらったところです。

実は1年あまり前、このブログを通して、足踏みミシンを譲ってもらおうと、いいところまでお話が進んでいたのですが、どうやって運べばいいものか(昔のミシンは本っ当に重いですもんね!)アレコレ考えているうちに、ご連絡が取りづらくなってしまい、・・・そのままになってしまっていたんです。
京都の方、その後、ミシンは活躍していますでしょうか?
「連絡を取り合いましょう」と申し上げたまま、大変ご無沙汰しております(拝)。

そのうち、子供たちとの追いかけっこに息を切らし、お裁縫する余裕をなくしてしまっていたのですが、・・・先月の『旅サラダ』で、ご覧になってました?
ゴーギャンが100年前にタヒチへ持っていったミシンが、今も大活躍していたんです!!!
赤サビだらけになったミシンを原っぱに持ち出して、島の男性が、めっちゃ嬉しそうにミシンを踏んでいるシーンを観た途端、ワタクシ、「うわぁ!」と、心の中で叫んでいました。

やっぱり、ミシンがほしい。
私も、にこにこ笑いながら足踏みしたいっ。
お裁縫が上手とか下手とか、そんなの関係なしに、何か作りたい。
昔作られたシンプルな道具ほど、ちゃんと手入れをすれば、きっと元気に長持ちしてくれるはず・・・。

そして、そんな私の心を見透かしていたかのように、そうです、隣のおばあちゃまが、ミシンを家の前に出してくださったのです。
なんと、灯台もと暗し。

おばあちゃまは、昭和30年代に購入したそのミシンを、大事に大事に使っていたそうですが、子供たちも大きくなり、腰痛も始まって、だんだんお裁縫をしなくなってしまったのだとか。
それでも、思い出の詰まった大事なミシンを捨てる気持ちにはなれず、誰かに使ってもらおうと、いろんな人に声をかけながら何年もの月日が流れ、とうとう昨日、一大決心をして表に出したところだったんですって。

「もう何週間も玄関に置いてあったのよ。やっぱり別れがつらくてね。子供たちの洋服も、全部これで縫ったんだもの。・・・よかったわ。今日はいい日だわ。うふふ。・・・あ、さっき、あんまり別れがつらくってね、ミシンにお酒をかけたところだったのよ。ほら、ね、たっぷり!」
「わぁ、嬉しい。大切に使わせていただきます。よかったら、いつでもミシンを踏みにいらしてくださいね。・・・え? あの、お酒って? もしかして、あ・・・」

というわけで。
しっとり湿った“ほろ酔いミシン”を譲っていただいたワタクシ、大急ぎでオーバーホール先を探している次第であります。
お酒が細部まで染みこんでサビと化さないうちにと、気持ちは焦るんですが、しかし、これがなかなか難しいものですね。

昨日、今日と、修理依頼の電話をかけまくっているんですが、
「古い製品なので部品がない可能性もありますし、修理できるかどうか、お約束できません」
「もちろん、それでいいんです。分解して掃除して、もう一度組み立てて、で、その結果、動かなかったら諦めます。でも、一応、部品は探してもらえるんですよね?」
「いえ、ですので、あるかどうか・・・」
「はい。ですから、なかったら諦めますので、やれるだけのことをやってみていただきたいんです」
「こちらでは、何もお答えできません。修理を請け負っているところをご紹介しますので、そちらと相談なさってください」

「修理に伺いますが、引き取ることはしません」
「二度手間になるので、ねじをはずし、本体だけ段ボールに入れて送ってください」
「足踏み部分やベルトなど、ミシン本体以外の修理は一切いたしません」
「お宅へ伺って、できる限りのことをしますので、それで動かなかったら諦めてください」
「どこが故障しているんですか。何が動かないんですか。まずは調べてください」
「分解掃除は受けていません。お酒がかかった? ああ、もう厳しいですね」

いやはや、修理係さんにもいろんな事情があるに違いありませんが、あっちこっちに電話しているうちに、もう心がヘトヘトになりますね、マジで。
隣のおばあちゃまが、「修理しようと電話で頼んでみたんだけど、運搬料金も高いし、修理代もものすごくかかるって言われて、もう無理だと思って・・・」と、溜息をついていたのも、・・・悲しいかな、当然です(涙)。

でも。
春はきっと来ますよ。
私が、あんまり電話をしまくっているので、横で聞いていたダンナが、とうとうキレました。←キレてくれました(笑)。いよっ!

「ムカイ、ちょっと電話、代わって。・・・ゴホン。もしもし! あなた方、自分の会社の製品に愛着はないの? こちらは、すごく愛着を持って、古いミシンを生き返らせたいと思ってるの。わかる? 費用はいくらでもかかってOKって言ったの、聞いてたよね? 何でトライしてくれないの? 結果的にうまくいかなくてもいいって、何度も言ったの、聞いてたよね? ね? じゃ、引き取りに来てください。いえ、丸ごとです。全部。オール。足踏みも台も何もかも!!! 時間がかかってもいいから。そう、こちらは、あと何十年も使いたいって言ってるんだから」

で、なんと、全部引き取りに来てもらえることになったのが、今日の夕方だったのでございます。←連休明けにオーバーホール開始だす。うきっ。
嬉しくなって空を見たとき、・・・息をのむほど美しい夕日が見えたので、ワタクシ、この足踏みミシンは必ずや直ると確信したのであります。
が、電話に時間がかかりすぎ、なんと、ミシンの写真を撮るヒマもなく、羽田へ直行することに(汗)。

というわけで、愛しいミシンの“ほろ酔い姿”は、また明日、東京へ帰ってからアップしておきますね。
もしよろしかったら、皆さんも一緒に、『SINGER 191U』の復活を祈っていてくださいませ。
だって、タヒチで100年以上活躍している、ゴーギャンミシンもSINGERだったんですもの。きっときっと直りますよね、ね?