
ゆうたかママ 2006年 3月 7日(火) 23:33 ×
桜音さん、こんばんは。ゆうかたママです。この度は、私がのろのろとしていたばかりに本当にすみませんでした。少し長くなってしまうかもしれませんが、精一杯答えさせて頂きますので、ご一読下さい。 障害の告知とその受容の問題は、本当にデリケートでそして大切な問題です。障害受容の過程に関しては、精神神経学的な分野で、色々と研究はなされていますが、私自身が子供の障害と向き合い初めて実感として感じた事は、まるで大きく長い螺旋階段を昇るようなものだという事です。行きつ戻りつ、落ち込みそしてまた、立ち直りを繰り返しながら、少しずつ高く昇って行く、とても回帰的なものだということです。もしかしたら、完全な受容などということはあり得ないのかもしれません。ただ日々、少しずつでも、今いる場所よりも高い所に昇って行けたらそれは素晴らしいことだと思っています。そんな事をふまえながら、私はいつも障害のある方や、その親御さん達と接しております。 先天的な障害のある方、つまり、お子さんの場合の障害の告知とその受容は、ご本人は勿論、親御さんも通らなければならない過程です。医師として、この過程の見守りの中で、注意しなければならないと思っている事が、いくつか有りますので、その事について書いてみたいと思います。まず一つ目は、障害のある方は、あくまでも発達の過程にある「子供」であるという事です。障害が有る無しにかかわらず、子供は必ず「発達」を遂げて行きます。これは、本当に素晴らしい奇跡です。ですから、今見えている状況は必ず変化して行くと言う事を忘れない事だと思います。今は、ネットなどで検索すれば、かなりの情報を得る事が出来ますし、親御さんも随分と色々な情報をお持ちです。しかし、そのような記事は、最大公約数的に記載されているものであって、決して全てがその子に当てはまるものではありません。ですから、親御さんに、正しい知識をもっていただくことは重要ですが、それは、その子の状態に即したものであること、そして、親御さんやそのお子さんの夢や希望を摘んでしまうような類いのものであってはならないということを、いつも肝に銘じています。 そして次に、告知のタイミングです。(今回はお子さんへの告知についてのお話です)子供というのは、こちらが考えている以上に自分の事を、実は深く考えているものです。知的障害のないお子さんであれば、なおさらだと思います。お子さんの成長に伴い、お子さん自身が、自分と他の子供との違いを、お子さん自身の体験を通して、また周囲の大人や、友達からの言葉のはしはしら察し、質問をしてくる事がきっとあると思います。はっきりとした形ではないかもしれません、そぶりでもいいのですが、それを見逃さないこと。それが、その質問にその時点でのお子さんのご様子を見ながら、真摯に答えて行くことが、告知です。その時のお子さんの理解出来る内容を、理解出来る言葉で説明する。それが告知の第一歩なのです。(その時には、お話ししたように、決して先回りしすぎないこと。自分の知っている事全てを話す事が告知では有りません。)ですから、発達の過程にあるお子さんの告知は、決して一回で終わるものではありません。それを丁寧に、いくつも積み重ねて行くことこそが、私は告知だと思っています。親も子供も、本当に長い道のりだと思います。でも螺旋階段を一歩一歩、必ず昇って行けると私自身信じております。 ただし、ここで誤解して頂きたくないのは、告知と、日々の問題行動の修正(しつけや、療育訓練等も含まれると思います)とは、あくまで別ものだという事です。告知をしていない事が、療育を行なわないという事にはなりません。療育などと言うと、とても特殊な事のように聞こえるかもしれませんが、私は、療育とは、少しだけ手間と時間と、ちょっとしたこつがいる子育のことだと考えています。決して難しいことではありません。母親として、子供を育てて行いくことそのものに他なりません。ですから、きちんと話していないから、とか、子供が理解していないからこのこの行動は治らないんだなんて、決して思わないで下さい。桜音さんのお子さんの場合も、「こつ」がいる子育てだと思いますが、それを、旦那様や、同じようなお子さんの先輩お母さん、医師など、周囲でサポートして下さる方に教えてもらうことはとても大事だと思います。なにより桜音さんには、立派なご主人様がいらっしゃいます。一番近くに一番素敵なお見本がいらっしゃるのですから、きっと大丈夫だと信じています。焦らず、ゆっくりと、ご主人のお話を良く聞きながら、そしてお子さんのくれるサインに耳を傾けながら、歩んで行ってみて下さい。 最後になりましたが、あるダウン症の方がスピーチされ言葉に忘れられないものがあるのでご紹介したいと思います。この方は、立派に成長された外国の方です。 「私はダウン症と言う障害を持っています。父も母もそして私も、ダウン症について良く理解しています。しかし私は自分がダウン症であることが、決して好きではありません。」 この言葉に私は衝撃を受けました。ダウン症は一般に知的障害(程度は様々です)がありますが、ご家族と一緒に自分の障害について理解を重ね、きちんと向き合った上で、自分自身を冷静に見つめていらっしゃる。その凛々しい姿に、そしてこのご家族の歩いてこられた道のりの素晴らしさに、心から感動しました。私もいつか娘とそんな話が出来る日を楽しみに、日々子育てに励んでおります。 本当に長くなってしまいました。また全くこのような話には関係のない方には、あまりぴんとこないお話だと思います。すいませんでした。文章があまり上手くないので、桜音さんに私の気持ちが伝わっているかどうか不安ですが、精一杯のコメントでした(苦笑)。それでは失礼いたします。 |